なぜ、あの写真は綺麗なのか?分解してみた!!!「協力者:nittoさん」

本企画の詳細はこちらからご確認ください!

本日の協力者

Nitto

ツイッター@Nitto_Photo

インスタグラム@Nitto_Photo

Youtube@Nitto_Photo

本日の分解写真

この写真は「自信のある1枚」というよりは「分解して欲しい1枚」という位置付けです。

本日の分解する写真は、雨の日の東京駅からの1枚。東京駅の写真はよく見かけますが、基本的に夜が多い気がします。ただ、今回の写真は明るい時間帯!私なりにこの1枚を分解していきます。

  • 場所 :雨の東京駅
  • 時間 :17時ぐらい?
  • 撮影日:不明

構図

中央の被写体を基準にして風景を五分割することで、各要素が美しく区切られておりバランスが良いです。「奥にある建物」や「東京駅の屋根の縦に伸びる線」が分割線の上に位置していることや「地面と建物+空の比率が2:3になっている」ことで風景に没入することができます。ただ、分割する数が多くなればなるほど、余計な要素や無駄なスペースが生まれがちなので注意が必要です。

傘が中央の被写体から左側に流れていることでリズムを感じます。リズム感は写真の中に目で追う楽しさを追加してくれます。また、手前から奥にかけて傘がずれていることにより、この写真には他の写真にはない小さな奥行きの表現がなされていると感じました。

写真左側にある東京駅が写真の右中央奥に向かって伸びており奥行きの表現がされています。

構図の種類についてはこちらを参照ください。

カメラの設定

ISO100に近いので○です。

画角が50mmに対してSSは320もあります!

設定を見て、「f1.8!?」となりました。ただ、東京で夜景を撮る人は、三脚NGな場所が多く手持ちで撮影することが多々あると聞きます。その時に、仕方がなくf値を下げるみたいです。

人という動くものを主に撮影されている雨の日で暗い等の撮影環境が厳しい状態だったのかもしれませんが、f値を下げきっている理由が気になります。この写真を撮影する上では、シャッタースピードが気になるところですが、ISOとF値をそれぞれ少し上げれば良かったのでは?と思いました。

撮影機材

Nikon Z8

Z8って2023年5月28日(超最近)に発売された新型フルサイズミラーレス一眼カメラ。(羨ましい)

Nikkor Z 50mm f1.8 S

写真編集(レタッチ)

明るさは、全体的に少し暗めの写真だと思います。そのように感じる理由を考察も含めて下記に記載します。

理由:周辺光量が低いため
考察:レタッチで周辺光量を下げている?または、f値が低いと機材の特性で周辺減光が発生します。

いずれにせよ、周辺光量が低いため中央部が明るく被写体に視線の誘導がされます。

不自然なところはありません。人間の目に映るそのままの色が再現されていると思います!

彩度は色が飽和することもなく適正だと思います!

コントラストは低いです。しかし、適切な明暗差であると思います!

拡大しても、気になるノイズはありません!

F値が低いため、中央の人にはバッチリピントが合っていますが、周りの風景はぼやけています。特に左上の東京駅の屋根部がボケてるのが気になります。撮影環境上、f値の設定は仕方がないものだったのかもしれませんが、、、

東京駅の屋根部

評価&考察

撮影者が伝えたいことを言葉で表現すると、「雨の東京駅!」ではなく「雨の日本っぽくない風景」。この写真の角度からは、東京駅を知っている人が見るから東京駅なのであって、知らない人から見たら「どこ?」ってなるでしょう。レンガの建物って、日本では珍しいですよね。Nittoさんは、このレンガ風の建物を活かした日本っぽくない雨の写真を撮影したかったのではないかと思います。

バランスは、構図のところで記載の通り良いと感じます。ただ、気づいたことがあり、それについては「考察:その1」に記載します。

うーん。写真としては、とても綺麗だと思います。ただ、そこまで印象的ではありません。理由としては、同じ構図で、もっと良い写真が撮れるのでは?と思ってしまうからです。この場所も季節天候時間、また通過する人によって様々な色の風景を見せてくれると思います。普通の自然風景と比較すると運の要素が強い被写体だと思いますが、その辺を追及して最&高を撮影していただきたいです。

この写真を見ていて気付いたことがあります。それは、右側の建物必要かどうか問題です。個人的に、この写真の右の建物を削ることでより奥行きの表現が強くなる感じがします。

ここの情報は必要?かの図
斜線部をトリミングした図

私の考える「なぜ、奥行き感が強くなる?」は以下の通りです。

斜線部の「建物と建物の間に空がある」及び「建物以外に特別な要素がない」。この2つが空間にポッカリと余白が生まれているように感じます。なのでそこを削ってみました。

該当部分を削ることで、斜線構図の終点が画面中央から右に移動し、より奥行き感が増えた気がします。また、空を入れないようにしたことで、見てくれる人の「奥にもっと続いてるんじゃないか?」という創造性を意味出すことができると思います。

構図の項で載せた写真を見ても、今回削った箇所に特別な要素はない気がします。

五分割の一番右の列に要素はあるのか?

私に気付けていないところもあるかもしれないので、ぜひ所感のところで意見を聞いてみたいです!

撮影者所感

雨の東京駅は、札幌にいたときからずっと憧れていた僕の中での象徴的なシチュエーションで、Z8の初撮影でこのシーンに初めて出会えてとても興奮しました!ゲリラ豪雨のような猛烈な雨も途中で降ってきて、思考より興奮が勝ってしまい完璧とは言えない構図になってしまった節もあります。笑

特に、構図の分析がめちゃくちゃ勉強になりました!僕自身、歩きながらどんどん撮っていくストリートフォトに関しては、視線誘導など最低限は意識しつつも構図は直感で決めていることが多く、改めて自分の写真の構図を見直すきっかけになったと思います。ありがとうございました!

f値を開放にしていることに関しては、傘差してる主題の人をもう少し手前にして、しっかりと後ボケが出るような形を理想としていたためです! 前ボケ、被写体、後ボケの3段階を写真という平面に盛り込むことで、立体感を出す意図がありました。 ただこの写真に関しては人が奥に行きすぎて後ボケがめちゃくちゃ中途半端になってしまったので、おおたにさんの分析は的を獲ていると思います👍

まとめ

「評価&考察」の章で書きましたが、1枚としては写真として少し弱い印象を持ってしまいました。今回は、その中で、できるだけ良くなる可能性を追求させていただくことができ、私としても成長できたように感じます。

本写真は憧れの東京駅で初Z8ということで、そんな1枚を分解させていただきありがとうございました!お写真ご提供いただけたことに感謝しかありません。

また、Nittoさんはyoutubeの動画も作成されています!まだお若いにも関わらず、ご自身の中でここまで言語化されてて神だと思います!現段階でここまでだと、これからのご活躍には本当に期待しかないですね!どうか、辞めることなくご自身の撮影したいものを極めて欲しいです!

協力者写真紹介

最後に、協力者の写真を紹介させてもらいます。Nittoさんは、現在、大学生で高校生の時からすごい写真を沢山撮影されています。1枚目と2枚目は(たぶん)高校生の時に撮影された写真です。

 
 
 
 
 
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3枚目は、インスタグラムのキャプションに書かれている設定を見るとスマホで撮影されているみたいです。最近のスマホは綺麗ですね。構図もめちゃくちゃ好きなので、Z8と広角レンズでもう一度撮影して欲しいです!

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おおたに。

日本の歴史と自然が融合した風景が大好物です。多くの人が写真を楽しむことができるようになるための発信をしています。 フォロワー: Instagram:2.7万人 Twitter:1.6万人 Threds:2千人